Q.私は、エステティックサロンで、きれいになるからといわれて1年間で30回、30万円のエステティック契約を結んでしまいました。5回ほど通ってみましたが効果がないようなので、サロンの方へ「やめたい」と申し出ましたが、「もう契約をしたのだから」といって応じてくれません。私は中途解約できないのでしょうか?

A. お答え致します。平成11年に改正された訪問販売法(現在は特定商取引法)によればエステなどの「特定継続的役務提供(※詳細は下記参照)」については「中途解約」をすることができるようになりました。

したがって、あなたは、中途解約のうえ、支払ったお金30万円から一定の損害賠償などを差し引いた残金を返してもらえるようになります。

しかし、中途解約ができたとしても、多額な損害賠償額を請求された場合や前払いした代金が返ってこなくては何の意味もありません。しかし、設例のように一部のサービスの提供を受けている場合は全額返すことまでは認めるわけにもいかないでしょう。そうかといって30回中5回しか利用していないのに半額しか返さないというのも不当です。そこで、特定商取引法では、損害賠償額の制限として

(1) 提供された役務の対価に相当する額

(2) 以下に記載する政令で定める損害額

エステ 2万円または契約金残高の10%のいずれか低い方

上記(1)+(2)の合計額を損害賠償額の上限とする旨を定めています。

では、実際に計算してみましょう。

1年間30回で30万円なのですから、1回当たり1万円と計算します。

すでに5回分のエステを受けられているので対価は、5万円と考えられ、すると残金は25万円となり、その10%は2万5,000円となります。これを比べると、政令で定められている2万円の方が低いですから5万円+2万円=7万円以下の損害賠償ですむということになります。

※ 特定継続的役務提供とは

「継続的に提供されることにより、役務提供を受ける者の心身または身上に関する目的が実現することをもって誘引されるが、その目的が確実でないという特徴を有する役務を一定期間以上にわたり、一定額以上の対価を受け取ることを約定して提供するもの」をいいます。

現在では、エステティックサロンの他に、外国語会話教室、学習塾、家庭教師派遣がこれにあたるとされています。

「一定期間以上にわたり」というのは、エステにあっては1ヶ月を超えるもの、その他は2ヶ月を超えるものとされています。

「一定金額以上の対価」というのは、5万円を超えるものとされています。

※ また、損害賠償額制限というのも語学教室、家庭教師等によって違いますので、そのときはぜひ当事務所までご相談下さい。

※ 消費者契約法との関係

このようなエステ入会の勧誘の際のセールスマンの話が不実告知(虚偽説明)などの消費者契約法の要件に該当する場合には平成13年4月1日から試行された消費者契約法の適用をうけますので、追認できるときから6ヶ月以内ならば、取り消すことができます。

2015年10月02日